めまいと耳の病気

さまざまな原因が考えられる中、最も多いのは「耳の病気」が起因しためまいです。

ここでは、耳の病気が引き金となって起こるめまいを説明していきましょう。

良性発作性頭位めまい症

めまいを訴える人の実に20~40%ほどがこの病気とされ、耳の異常が起因しためまいの中で最も多いとされています。起床時などに頭を動かしたり、頭がある特定の位置に移動したりすると回転性めまいが起こります。めまいは次第に悪化するものの、すぐに軽快・消失するのが特徴です。なお、めまいの持続時間は数秒~数十秒とされています。

メニエール病

発作時のめまいは回転性で激しく、吐き気や嘔吐を伴うのが特徴です。また、同時に難聴や耳鳴りが起こるケースもあります。めまいは数時間~1日、またはそれ以上持続することもあるでしょう。難聴はめまいが起こると悪化し、治まると正常に戻るか軽快します。

ただし、メニエール病が進行すると次第に悪化し、重度の難聴になることも・・・。また、これらの症状は繰り返し起こり、その頻度は週1~年数回とさまざまです。

前庭神経炎

突然激しい回転性めまいが起こり、悪心や嘔吐を伴います。このような症状が2~3日続くものの、他の症状(難聴や耳鳴りなど)はみられません。その後、少しずつめまいは改善していきますが、発症から1週間ほどは歩行が困難となるでしょう。

3週間ほどでめまいは改善されますが、動くときはふらつきが生じやすく半年が経っても約半数の人には同様の症状がみられます。

突発性難聴

何の前触れもなく、ある日突然耳の聞こえが悪くなります。約半数の人に回転性めまいがみられ、これが激しいと難聴に気付かないことも。難聴の程度はさまざまですが、一般的にめまいを伴うほど悪く、その回復も遅くなるようです。突発性難聴の原因は定かじゃないものの、最も有力な説としてウィルス感染と内耳循環障害があげられています。

外リンパ痩(ろう)

急激な圧の変動(飛行機に乗ったときなど)によって髄液が内リンパ腔に漏れ出し、回転性めまいや難聴といった症状が起こります。また、これらの症状があらわれる直前にパチッと弾けるような音が聞こえることも。

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中耳炎

中耳炎からくるめまいには浮動性めまいや平衡障害が多く、激しいめまいはさほど多くありません。中耳の炎症が内耳に及ぶことで、前庭などの働きが悪くなりめまいが起こるようです。中耳から内耳への炎症は徐々に進行するため、急激な回転性めまいは起こりにくいとされています。

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内耳炎

耳の病気といえば一般的に「中耳炎」を連想しがちですが、内耳でもウィルスや細菌の感染によって炎症が起こります。また、この原因の中には中耳炎からの続発感染もあります。

抗生物質など優れた治療薬が登場した現在では比較的まれといえますが、真珠腫性中耳炎と呼ばれる骨を破壊する性質の中耳炎から続発する内耳炎はしばしば生じています。この場合、外側半規管が解剖学的位置からも破壊されやすく難聴や耳鳴り、めまいといった症状が出ます。

遅発性内リンパ水腫

内リンパ水腫の1つに、おたふくかぜや髄膜炎などの後遺症として起こる「遅発性内リンパ水腫」があります。この病気は長い年月を経てから回転性めまいが生じたり、それまで健常だった耳が難聴になったりするのが特徴です。

治療には利尿剤や循環改善薬、精神安定剤など保存的治療が用いられますが、めまい症状が激しくなると内耳の迷路を破壊する手術が行われることも。

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聴神経腫瘍

内耳から脳に連なる聴神経に良性の腫瘍ができ、神経や血管を圧迫して初期の頃には耳閉閉塞(耳が塞がれたような感じ)が生じます。その他にもめまいや耳鳴り、難聴といった症状があらわれてくるでしょう。腫瘍が小さい場合は経過観察し、大きくなってきたら手術で摘出するか放射線治療を行います。